内田先生 御退任によせて
内田先生におかれましては、長年にわたる輝かしいご功績を残され、ご退任を迎えられましたことを、心よりお祝い申し上げます。
私は18年前に腎臓内科に入局し、医師5年目の時に大学院に入学いたしました。何のアイデアも知識もなく研究室に飛び込んだ私にとって、基礎研究は完全に未知なる領域でした。研究室の先生方はどの先生も大変優秀で、それぞれの分野を熱心に研究されていましたが、内田先生はすべての分野に圧倒的な知識と鋭い洞察力をもってご指導され、さらに国内・世界の腎臓内科分野の研究について知り尽くしていらっしゃいました。あまりに知識も勉強も能力も欠如しているにも関わらず青くて生意気な私に、決して叱らず呆れず、忍耐強くご指導いただいたご恩は決して忘れません。先生のご指導とお力がなければ、学位を取得することは絶対にありえませんでした。研究とは、霧の中で手がかりを見つけて方向性を模索し、思うようにいかない実験の原因検索と再検を繰り返し、時には頓挫し、地道で決して楽とは言えない道でした。しかし、結果が出た時や論文がacceptされたときのうれしさは何にも代えがたいものでした。また毎年ASNに参加しポスター・口頭発表した経験は、人生の宝になりました。学会の光景、またアメリカ各都市で過ごした風景は今でも鮮明に思い出されます。
出産で急遽研究を抜けた際には、内田先生や教室の先生方に大変なご迷惑をおかけし、研究室に足を向けて寝られません。その後育児で就職に困った際にも、いろいろとご配慮いただき、何とかここまで仕事を継続できております。研究室・関連病院を離れた今も、腎臓内科の専門医・指導医として日々精進してまいります。
末筆ではございますが、教授の益々のご健勝と、腎臓内科教室の更なるご発展を心よりお祈り申し上げます。本当にありがとうございました。
