深い感謝をこめて
内田信一先生のご退官にあたり、心よりお祝い申し上げます。
医学研究をやってみたいのなら、大学にすごい先生がいるから戻ってみればと言われておりましたが、2007年母校の附属病院に勤務することとなった際、ようやく内田先生にお会いすることができました。臨床勤務中は正直それほど直接の関わりはなく、病棟カンファレンスで的確な意見とアドバイスをくださる先生だという印象を持ったまま時が過ぎました。
ところが、2009年大学院へ進学した際に状況が一変しました。研究テーマを提示いただいた瞬間に緊張感が走り、この先生にご指導いただければ特別な何かを成し遂げられそうだと強く感じるようになりました。
当初のテーマでは思うような成果が上がりませんでしたが、テーマ変更後は少しずつ道筋が見え始め、国内外の学会で発表できるまでになりました。先生は研究データの精度や考察の論理性に大変厳しく、何度も修正を重ねる日々でした。しかしその厳しさの中にも、私自身の視点や仮説を尊重してくださる姿勢があり、「自分で考え、選び、責任を持つ」ことの大切さを学びました。先生の指導は静かでありながら厳しく、常々自分の未熟さを痛感させられましたが、的確なアドバイスのおかげでさまざまな困難を乗り越えることができ、深く感謝しております。
研究の世界の厳しさに直面し、なかなか論文が雑誌に accept されなかった際も、先生は淡々と次に進むためのプランを提案してくださり、焦りや苛立ちさえポジティブなエネルギーに転換されていくことに驚嘆しました。論文がついに accept された折には、共同著者である森崇寧先生、磯部清志先生とともに、先生の特別講演が予定されていた台湾腎臓学会総会へ“ご褒美”のように同行させていただいたことが強く印象に残っています。もちろん先生の講演を海外でありがたく聴講しました。しかし、学会以外のオフタイムが実に楽しく、観光、数々の美味しい会食、温泉(水着着用!)など、大学での厳しい臨床や研究の場では見せない先生のチャーミングな姿を多々拝見できたのは貴重な経験でした。(添付は台湾で足つぼマッサージを体験前の先生)
臨床でも研究でも、先生はよく「あなたの思うようにしてみていい」とおっしゃいました。一見突き放されたようにも聞こえるその言葉の裏には、私の可能性を信じ、主体的に考え抜くことを促す深い教育的意図があったように思います。
先生のご退官は寂しくもありますが、これまでのご指導と温かいご支援に心より感謝申し上げます。先生からいただいた「自分の思うようにしていい」という言葉は、今後の人生で何度も立ち返る指針となることでしょう。これからの新たな日々が穏やかで充実したものとなりますよう、心よりお祈り申し上げます。
思い出の写真
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台湾にて足つぼマッサージ前
