内田先生の退任によせて
御退任、誠におめでとうございます。内田信一先生は、腎臓内科分野の研究で常に世界をリードしてこられました。特に、腎臓の尿細管機能に関する研究は卓越しておられ、水・電解質輸送に関わる分子の機能解明とその調節機構に関する研究、遺伝性腎疾患の病態生理の解明と新しい治療法の開発などで数多くの論文を一流誌に発表され、他の追随を許しませんでした。内田先生のご研究は、腎臓の基本的な生理機能の理解を深めるとともに、難治性の腎臓病の診断と治療に貢献しています。日本腎臓学会でも要職を歴任され、学会運営に大きく貢献されました。2024年に会長として開催された第67回日本腎臓学会学術総会における会長講演は、ご自身の科学に対する熱い思いと真摯な姿勢が表れた素晴らしいものでした。学問に対する姿勢はとても厳しく、腎臓学会理事会で「学術総会は最新の研究を発表し議論する場であり、教育講演などは他の場でやるべきである」とおっしゃったことはとても強く印象に残っています。内田先生は東京医科歯科大学の病院長も務められるとともに、東京医科歯科大学が東京科学大学となる大変革の時期の理事・副学長もされ、学問のみならず組織運営においても類まれな手腕を発揮されました。もちろん、その御活躍には、奥様であり優れた医師である内田啓子先生の御支援が不可欠だったであろうことは想像に難くありません。内田信一先生におかれましては、今後とも大所高所から、腎臓学会の後進のご指導を頂きたく存じます。内田先生の御健康と更なるご活躍を祈念しております。
