メッセージ

太田 哲人

おおた あきひと

(1999年卒)

東京都立駒込病院 腎臓内科 医長

内田先生から学ばせていただいた事

1999年に第二内科に入局後、腎臓内科を選び、内田先生から直接ご指導をうけることになったのは2004年に大学院に入学してからでありました。この頃の医科歯科腎内の研究室は、すでに佐々木先生達が始められていたアクアポリン研究が進んでおりましたが、他には遺伝性高血圧をきたす変異WNKキナーゼの研究が始まった頃でありました。WNKのテーマの一部を与えていただき私の実験生活が始まりました。当時は内田先生が直接の指導教官であり、その下に院生が7-8名おり、それぞれ与えられたテーマでの実験をし、週1回昼に(旧D棟の)医局のソファーに実験ノートを持参し、皆で膝を突き合わせ弁当を食べながら、発色したてのウエスタンブロットなどを供覧し1週間の進捗を内田先生に報告、実験の見直しや指導を頂くといった今とは異なる牧歌的スタイルでした。実験を直接指導して頂けたのが貴重な経験であり、良い思い出として心に残っております。当時WNKキナーゼがその下流に対し正の制御または負の制御をするのかにつき、Yale大学リフトン達のグループとの議論が続いておりました。その問題を解決すべく、これまで行われていた細胞実験系からvivoでの検討するために遺伝子改変マウスを作成する方針となりました。頼先生のご指導のもとES細胞を用いWNK4の低形成マウスが幸運にも生まれ、マウス解析(血圧・Na調節能など)をしていたのが2008~2009年の助教時代でした。院卒業後は病棟業務なども加わり、実験に使える時間が減りつつあった中、実験のペースを落とさないよう内田先生からの𠮟咤激励を今でも覚えております。キムワイプにボールペンで実験の修正事項など内田先生直々の指示が書かれており、毎週外勤先から戻った際、机に置かれたキムワイプに書かれた指示をみて早速実験にとりかかり最後のデータ集めをして無事投稿することができました。この解析結果からリフトンらが唱えていた説は誤りで、内田先生グループのWNKキナーゼが下流に対し正の制御を行うことが正しいということをvivoでの実験で証明できたこと、また当時WNK界隈でのこのホットなテーマに関わることができたことは幸運でした。同時に研究者として第一線を走る内田先生の研究立案の凄み・研究に対する姿勢など身をもって感じることができました。その後Dundee大学へWNK研究の留学の機会も与えていただきました。現在は臨床医ですが内田先生のもとで培ったscientificな思考を失わないように心がけております。

内田先生、これまでたくさんのご指導を賜り、また腎臓内科医局の運営・ご指導、更には東京科学大学にご尽力いただきありがとうございました。

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