峻厳にして温情あるご指導に感謝を込めて
内田信一先生のご退官にあたり、永年にわたり賜りましたご薫陶に対し、心より感謝申し上げます。
私が東京医科歯科大学第2内科に入局し、研修ローテートの最後に腎臓内科を経験いたしました折、先生と直接言葉を交わす機会は多くはございませんでした。しかしながら、二年目の研修先を選定する際に面談の労をお取りくださったのが先生であり、そのご厚情は今なお鮮明に記憶に刻まれております。
その後、関連病院にて二年間腎臓内科研修を重ね、大学血液浄化療法部勤務を経て大学院へ進学いたしました。研究チームは異なっておりましたが、先生の研究に臨まれる真摯かつ厳格なる姿勢、ならびに研究室における指導体制を身近に拝し、深き感銘を受けました。当時の先生は、まことに峻厳にして容易に言葉を交わせる存在ではございませんでしたが、私が現職の横須賀共済病院にて部長職を拝命して以降は、折に触れて直接ご教示を賜る機会に恵まれました。
先生には、医師の働き方改革に伴う所属意識の変容や若い世代の価値観の変化を鋭敏に洞察され、私の人となりをも踏まえつつ、若手医師の育成における指導の要点や留意すべき点について、常に懇切丁寧なるご助言を賜りました。殊に、コロナ禍という未曾有の困難の中にあっても、私の所属病院の腎臓内科医が一人として離脱することなく、心身を損なうことなく診療を継続し得たのは、先生の時宜を得たご高配の賜物と深く感謝申し上げる次第でございます。
ここに改めて、先生のご退官を機に、これまでのご指導とご厚誼に対し、心よりの敬意と謝意を捧げます。
