メッセージ

若林 健二

わかばやし けんじ

(2002年卒)

東京科学大学 生体集中管理学分野 教授

この度は教授職のご退任、誠におめでとうございます。 長きにわたる教育・研究、そして大学運営へのご尽力に、心より敬意を表します。

私と内田先生との最初の出会いは、実は25年ほど前の学生時代に遡ります。当時の私は一学生に過ぎませんでしたが、時を経て、これほど深く濃密な時間を共有させて頂くことになるとは想像もしておりませんでした。

特に忘れられないのは、やはり2020年春からの新型コロナウイルス感染症対応です。内田先生が病院長にご就任されたのと時を同じくして、未知のウイルスが社会を襲いました。当時、私は病院長補佐および実務担当として、現場の混乱の中に身を置いておりました。 「正解のない問い」を前に院内が揺れる中、連日のように対策本部や電話口で議論を重ねた日々は、鮮明に脳裏に焼き付いています。時に各方面から様々な意見が噴出し、対応に苦慮する場面もありましたが、内田先生が常に「責任は私が持つ」と腹を括り、現場の背中を押し続けてくださったからこそ、私達は迷わず眼の前の患者さんに向き合うことが出来たのだと確信しております。

私が教授職を拝命してからは、アカデミアとしての高い志を持ち続ける内田先生の姿勢も折に触れてご指導いただきました。先生の背中があったからこそ、私は臨床や管理業務と並行して研究業務を続けるための覚悟を決めることが出来ました。

そうした張り詰めた空気の合間に見せてくださった、先生の人間味あふれる一面も忘れられません。私が副理事などの新たな役職を拝命した際、「これで先生も痩せるかな」とピリッとしたジョークを飛ばされたことは、今となっては懐かしく、温かい思い出です。激務の中にあってもユーモアを忘れず、気さくに接してくださる先生のそのお心遣いに、幾度となく救われました。

大学統合を控えた時期からは、いち早く医療担当理事として新大学への道筋をつけられ、その卓越したリーダーシップには改めて感銘を受けました。内田先生が築かれた礎を大切にし、少しでも恩返しができるよう、微力ながら精進してまいる所存です。

これまでは顔を合わせれば難題に対処する話し合いばかりでしたが、これからは先生とゆっくり盃を交わせる機会も持てれば、と密かに願っております。その際は、全く関係のない趣味のお話なども伺えれば幸いです。新たなステージでの益々のご活躍とご健勝をお祈り申し上げます。今まで本当にありがとうございました。

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