メッセージ

蘇原 映誠

そはら えいせい

(1998年卒)

東京科学大学 腎臓内科 准教授

ありがとうございました!

時が過ぎるのは驚くほど早く、敬愛する内田先生がご退官されることはいまだに実感が湧かないというのが正直な気持ちです。しかしながら、約25年にわたりご指導を賜り、大変お世話になったことへの深い感謝の念を込め、本稿を寄せさせていただきます。

思い返せば、腎臓内科に入局し、横須賀共済病院で腎臓内科医として歩み始めたばかりの頃、内田先生から「一緒に研究しないか?」と直接お電話をいただいたことが、私の人生における大きな転機となりました。その後、研究日に大学へ通い始め、研究に携わるようになりました。

大学院に進学してからも感謝すべきことは数多くありますが、何よりも、世の中の誰もまだ知らない生命と科学の真実を世界で初めて観察するという研究の本質的な喜びを教えていただいたことが、私にとって最大の財産です。ご指導は決して易しいものではありませんでしたが、苦しい局面では常に深い愛情をもって支え、守ってくださいました。

ゴルフやBBQ、私のボストン留学中に学会の合間を縫って立ち寄ってくださったこと、アメリカや台湾での海外出張など、研究以外にも楽しい思い出は尽きません。なかでも、大学院2年生のときに同行させていただいたアメリカ・ウッズホール海洋生物学研究所でのClチャネルに関する内田先生のセミナーは、今でも強く心に残っています。終わることのない自由闊達で熱のこもった議論のなか、まるでAppleのスティーブ・ジョブズのように聴衆を惹きつける内田先生のプレゼンテーションを目の当たりにし、以前から抱いていた海外留学への思いが、「必ず実現したい」という強い決意へと変わりました。

留学から帰国後は、内田先生が世界に先駆けて発見されたWNKキナーゼの研究をさらに発展させる仕事に携わる機会をいただきました。我々の結論は正しかったものの、世界の有力グループとの見解の対立の中で、査読対応には大変な苦労がありました。それでも真実を追い求める姿勢を貫いた結果、最終的にその成果が教科書に残る仕事となったことは、何よりの喜びです。また、WNK研究が一定の成果を上げた後には、私自身の関心に基づく研究を進めることをお許しいただいたことにも、深く感謝しております。

医局運営に加え、病院長としてさらに多忙を極められ、就任直後には新型コロナウイルス感染症への対応という未曾有の困難にも立ち向かわれていました。心身ともにお疲れがにじむ時期もあったかと思いますが、テレビを通して医療現場の状況を淡々と、しかし真摯に語られる内田先生のお姿を拝見した時は、私自身も励まされ、心から応援していました。陰ながらでも支えることができたことを、今は誇りに思っています。

病院長、そして医療担当理事となられて以降、直接ご指導いただく機会は減りましたが、医療や大学を取り巻く厳しい状況の中でも、以前と変わらず私たちを遠くから守るために、身を挺してくださっていたと感じています。また、国際卓越研究大学へとつながるよう、我々の未来を見据えて尽力してくださったことにも、ただただ感謝の念に堪えません。

これまでのご経験に基づくご助言を、これからも折に触れて賜ることができましたら、これ以上の幸せはありません。内田先生の長年にわたるご功績とご指導に、改めて深く感謝申し上げます。

写真1:ウッズホールでのトーク

写真2:最後の医局旅行

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